■女性のホルモンについて
女性のホルモンは脳にある視床下部から下垂体へホルモンの分泌を促すことから始まりこの際に卵胞刺激ホルモン・黄体化ホルモンが分泌されます。その際に精神的なストレス、肉体的なストレスなどがあると視床下部に負担がかかりホルモンバンランスが崩れることがあります。これが卵巣に影響を及ぼし女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌に支障をきたす場合があります。これにより起こる女性特有の病気が、月経不順、更年期障害です。またホルモンのコントロールを行うことで月経の周期を移動させたり、緊急避妊を行うことなども可能になります。
月経不順
月経不順は妊娠の可能性がないのに前の月経から3ヶ月以上たっても月経がない続発性無月経、思春期や更年期以外に周期が乱れる、思春期や更年期以外に経血量が極端に少なかったり、多かったり期間が短かったり長かったりなどが一般的な症状です。治療法としては、漢方薬の投与、排卵誘発剤の投与などがあります。また基礎体温の記録を行うことで自分の健康状態を客観的に把握することが出来ます。
月経困難症と月経前症候群
月経困難症と月経前症候群は、月経前や月経時に身体や気分にいろいろな変化を伴いこれらの症状が強く日常生活に支障をきたす場合があります。症状としては下腹部痛、腰痛、腹部の張り、頭痛、めまい、乳房痛、乳房の張り、不安感、憂鬱、眠気、怒りっぽい、イライラ、集中力低下などがあります。またこれらは、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となっていることもあります。治療法としては、鎮痛剤の投与、ピルの投与、抗不安薬の投与、その他利尿剤、漢方薬、ビタミンB6などの投与があります。
更年期障害
更年期は45歳〜55歳の性成熟期と老年期の間で、閉経前後10年間を言い加齢に伴う卵巣機能の低下によるエストロゲン(女性ホルモン)の急激な低下が起きる時期です。
更年期障害は、この時期に起こる女性の身体的、精神的変化の事で月経不順、のぼせ、ほてり、発汗、疲労感、不眠、不安、憂うつなどがあります。そしてエストロゲンの低下状態が続くと膣炎、性交痛、尿失禁が起こります。さらに長期に渡って低下状態が続くと、動脈硬化や心筋梗塞、骨粗しょう症、痴呆などが多くなると言われています。治療法としてはホルモン補充療法、漢方薬の投与、自律神経調整薬の投与などです。
ホルモン補充療法
ホルモン補充療法は更年期障害の治療・女性一般の活動性を保つ事に用いられ、内分泌系薬剤プレマリン・ジュリナ(内服の卵胞ホルモン)・エストラーナ・フェミエスト(パッチ貼り薬の卵胞ホルモン)、ディビゲル(ゲル塗り薬の卵胞ホルモン)と黄体ホルモン、ヒスロン・プロベラの併用が一般的です。また、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方が入った貼付剤メノエイドを用いることもあります。またこの治療法で、骨粗鬆症の改善・脂肪代謝への効果がみられます。副作用としては乳がんのリスクが上がる事です。しかしながら治療期間が5年以内であれば乳がんのリスクは上がりません。
月経周期移動
月経周期移動は月経を早めたり、遅らせたりする方法で一般的に遅らせる方が確実です。方法としては月経を早める場合においては生理3日目から中容量ピル(プラノバール)を生理が始まってよい日の約3日前まで一日一錠服用する方法です。遅らせる方法は生理予定日5日前から黄体ホルモン(ノアルテン)か中容量ピル(プラノバール)を生理が始まってよい日まで一日一錠服用する方法です。この月経周期移動の副作用は中容量ピル(プラノバール)では、悪心、嘔吐がある場合があります。黄体ホルモン(ノアルテン)は比較的副作用がありませんが生理の延長期間が短いです。
緊急避妊(アフターピル)
緊急避妊とは避妊できなかった、避妊に失敗したなどの場合に性交後に行う妊娠防止法です。これは中容量ピル(プラノバール)を、性交後72時間以内に2錠服用し、その12時間後にまた2錠を服用する方法です。妊娠の可能性が高い場合はさらに12時間後に2錠の服用をお願いしております。成功率は98.6%程度と言われ避妊できた証拠である月経(出血)は21日以内に起こります。副作用としては悪心、嘔吐がある場合や不正出血が起こることがあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの低下)は寒がり、便秘、低体温、浮腫(むくみ)、徐脈、疲れやすいなどの症状と月経周期が長く希発月経や無月経が起きます。また更年期障害と間違われることの多い病気です。治療は甲状腺ホルモンの補充療法で甲状腺ホルモン製剤チラージンの内服です。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンの増加)は眼球突出、暑がり、やせ、汗かき、動悸、頻脈、下痢などの症状と月経周期が短く頻発月経・不正出血が起こります。現れ若い女性に多い病気です。治療は抗甲状腺剤のチウラジル・メルカゾールの内服です。
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